おせち料理の黒豆の意味・由来と、関東風黒豆の「しわ」の意味は?
おせち料理の黒豆の意味・由来、関東風黒豆のしわの意味、保存方法・期間などをお伝えします。
おせち料理の黒豆には、「まめ」に働き、「まめ」に生きる という意味があります。
…この「まめ」という言葉。
漢字では「忠実(まめ)」と書き、
勤勉、健康、真面目、誠実の意味あいがあります。
「まめ」と「豆」の語呂合わせから、一年の初めのお正月に、家族が一年中「忠実(まめ)」に暮らせるように という願いが込められているのです。
黒豆の由来は、江戸時代、江戸の八百善という高級料亭が正月向けに作ったのがそもそもの始まりです。
おせち料理の本には「ふっくら柔らかく、黒々と艶やかに仕上げましょう」と書かれていることが多い黒豆ですが、ふっくら艶やかに仕上げる黒豆は「関西風」。
関東風の黒豆は、表面にしわを寄せて仕上げます。
関東風の黒豆はそもそも、
「しわが寄るまで長生きができるように」
という意味から、黒豆の表面にしわを寄せて長寿に見立てた「おめでたい黒豆」に仕上げるものでした。
関西風に比べて関東風の黒豆は、
「豆が手でつぶれるくらいの柔らかさになるまで弱火で水煮⇒砂糖、塩、しょうゆを入れて20分程度煮て、火を止める」
という作り方をすることで、浸透圧により黒豆の水分が吸い出され、表面にしわが寄ります。
黒豆は、タッパーなどの密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。
黒豆が煮汁につかっている状態で保存するとしわが寄りません。
保存期間は10日ほど。
※1週間くらい経った頃に温めなおすことで、さらにもちます。
黒豆を煮る時の材料に古釘や灰(灰の上澄み液の「灰汁」)が挙げられていますが、古釘や灰が手に入らない場合の代用品をお知らせします。
●古釘…黒豆に古釘を入れるのは、釘の鉄分が黒豆の黒い色(アントシアニン)を保ち、色よく仕上げるため。
ホームセンターなどには、古釘の代用となる専用の鉄製品があるので、それを利用するとよいでしょう。
ちなみに、こういうものです(楽天で売られています)↓
● 灰…灰を水に溶かして作った上澄み液のことを灰汁(アク)といい、アルカリ性の灰汁を使うことで豆のたんぱく質が変性し、早く柔らかくなります。
が、「灰」はどの家庭にもあるような物ではありません。
灰が手にはいらない場合、代用品となるのは「重曹」です。
※300gの黒豆を煮る場合、大さじ2杯の重曹を加えた水で煮ます。
また、黒豆の選び方ですが、その年にとれた新豆で、はりがあってしわの寄っていないものを選びましょう。
古い豆はいくら時間をかけて煮ても柔らかくなりません。
黒豆は祝い肴として、数の子、田作りに並んで意味のあるお料理で、一般的にはおせちの「壱の重」に詰めるものです。
しわが寄っても平気ですので(関東風ということで…笑)。
黒豆。一度は手作りに挑戦してみたいお正月料理ですね。